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炭酸カルシウム配合コンパウンドの分散と吐出量の評価

「ガラスシャーレに入った白い粉末の炭酸カルシウム。高充填コンパウンドやプラスチック製造のフィラーとして使用される素材のクローズアップ画像。

シーティーイーでは、高濃度フィラーコンパウンドの押出技術において、より高吐出で安定した製造条件を確立するための試験を継続的に実施しています。今回の試験では、炭酸カルシウム(平均粒径1.2μm)とLLDPEのコンパウンドを対象に、分散性や吐出量を評価しました。

高濃度フィラーコンパウンドは、均一な分散や高吐出量での製造が難しいという課題があります。本試験では、こうした課題に対し、HTM型タンデム式混練押出機が従来押出機に比べどれほど有効かを検証しました。

検証結果

CTE シーティーイーのHTM型タンデム式混練押出機。高フィラーコンパウンドや再生ペレットの製造に最適なCTEの先進的な押出機。

HTMタンデム式混練押出機

分散性能

今回は、HTM-38タンデム式混練押出機と従来押出機で作製したコンパウンドの分散性をFilter Pressure Value (FPV) を測定することで評価しました。HTM-38タンデム式混練押出機で作製したコンパウンドは、炭酸カルシウム濃度80%においても、従来押出機で作製した炭酸カルシウム濃度60%のコンパウンドと同等のFPV を示しました。

処理能力

従来押出機(スクリュー径65mm)では、炭酸カルシウム濃度60%のコンパウンドにおいて、吐出量が350kg/h でした。一方、HTM-38タンデム式混練押出機(スクリュー径38mm)では、140kg/h(65mm換算時=530kg/h) を達成しました。

さらに、HTM-38タンデム式混練押出機では、炭酸カルシウム濃度70%、80%のコンパウンドにおいても、100kg/h(65mm換算時=380kg/h)の吐出量での製造が可能 であることが確認されました。

「HTM型タンデム式混練押出機と従来押出機(噛合い同方向2軸)の比較表。表にはスクリュー径、炭酸カルシウム濃度、吐出量(実値)、吐出量(65mm換算)、FPVの項目があり、各機械の性能が数値で比較されている。HTM型タンデム式混練押出機は38mmスクリュー径で、炭酸カルシウム濃度60%、70%、80%の条件での吐出量が記載されている。一方、従来押出機は65mmスクリュー径で、60%の炭酸カルシウム濃度における吐出量が示されている。」

吐出量と分散性のバランス

今回の試験では、HTMタンデム式混練押出機は、炭酸カルシウム濃度60%のコンパウンドにおいて、従来押出機で作製したコンパウンドと同等レベルの分散性を保ちつつ、吐出量を約1.5倍で製造することが可能であることが実証されました。さらに、従来押出機では困難であったフィラー高濃度化も可能にし、炭カル濃度を70%、80%と上げた場合でも100kg/hでの押出が可能でした。

シーティーイーの押出技術が提供するソリューション

今回の試験から得られた知見をもとに、シーティーイーのHTM2軸押出機およびHTM-38タンデム式混練押出機の持つ強みを改めて整理しました。

・コンパウンドのフィラー高濃度化や高吐出化が容易
・ローターエレメントによる混練により、高い混練性を維持したまま混練発熱を抑制することが可能
・別駆動の単軸で押し出すため、樹脂温度を下げて押出が可能

シーティーイーでは、こうした技術検証を通じて、より高度な押出条件の確立を進めています。 高濃度フィラーコンパウンドをはじめ、リサイクル材や生分解性樹脂など、さまざまな材料の押出テストや分析を実施しておりますので、材料特性に適した押出条件のご相談もお気軽にお問い合わせください。

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