流量調整バルブで、押出機の滞留時間をコントロールする
押出機による混練プロセスでは、溶融樹脂の滞留時間が材料の分散状態や反応の進行に大きく影響します。
滞留時間を調整する手段としては、スクリューデザインの変更やL/Dの見直し、スクリュー回転数の調整などが一般的です。ただ、これらはいずれも設備設計や運転条件に制約を生みやすく、思い通りに調整できないケースも少なくありません。
シーティーイーのHTM型押出機には、流量調整バルブ(Flow Control Valve)が搭載されています。流量調整バルブの絞りを調整することで、滞留時間を柔軟にコントロールできる機構です。
流量調整バルブが有効なプロセス
サージングの抑制
二軸部の充満率が低下すると、吐出量が周期的に変動する「サージング」が発生することがあります。バルブを締めて流れを制限することで充満率が安定し、サージングを効果的に抑えることができます。
反応押出への対応(動的架橋など)
TPV(動的架橋型熱可塑性エラストマー)の製造では、架橋反応を完結させるための十分な滞留時間が必要です。従来は長いL/Dや低速回転で対応してきましたが、流量調整バルブを使うことで、短いL/D構成や高速回転条件でも必要な滞留時間を確保しながら、反応を十分に進行させることができます。
低融点添加剤の高充填マスターバッチ

低融点添加剤はマトリックス樹脂より先に溶融するため、樹脂がスリップして混練が進みにくくなることがあります。バルブで溶融樹脂を一時的に滞留させることで、マトリックス樹脂に適度な負荷をかけ、均一な混練を実現できます。
架橋樹脂・ゴムのリサイクル
架橋構造を持つ材料は通常の押出プロセスでは架橋を切断しにくく、リサイクルが難しい素材のひとつです。バルブで材料を滞留させながら高速せん断をかけることで架橋構造を効果的に切断でき、架橋樹脂・ゴムのマテリアルリサイクルへの応用が期待されています。
まとめ
流量調整バルブは、バルブの絞りを調整することで、押出機内の滞留時間を柔軟にコントロールできる機構です。サージングの抑制、反応押出、高充填マスターバッチ、架橋樹脂・ゴムのリサイクルなど、さまざまな混練プロセスで活用できます。
シーティーイーでは、HTM型押出機を使用したテスト混練を受け付けています。材料や配合に合わせた条件検討も可能ですので、お気軽にご相談ください。
流量調整バルブをはじめ、HTM型押出機の構造や混練原理については、こちらの動画でも詳しくご紹介しています。押出機内部の樹脂の流れや、HTM独自の混練メカニズムをCGでご覧いただけますので、ぜひご覧ください。

