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高濃度フィラーコンパウンド

HTM型タンデム押出機による塩ビコンパウンドの高混練と高吐出化

塩ビ(PVC)ペレットを試験管から手に取り出している様子。手には青い手袋が着用され、樹脂の物性評価やコンパウンド試験を示唆するシーン。

塩ビ(PVC)は、硬質配管や建材、軟質のケーブル被覆材、医療チューブなど、幅広い用途で使用される汎用プラスチックですが、その加工には特有の難しさがあります。塩ビ(PVC)は硬質・軟質いずれの用途においても、可塑剤やフィラー、安定剤などの添加剤を組み合わせたコンパウンドが用いられます。特に混練(コンパウンド)工程では、熱やせん断の影響で分解が進行しやすく、品質劣化や装置損傷のリスクを伴うため、高混練・高吐出での製造が困難です。

シーティーイーが開発したHTM型タンデム式2軸混練押出機は、「非噛合い・異方向回転」構造による優れた脱気性能と混練性能に加え、タンデム式にすることにより、低温押出を可能にし、塩ビコンパウンドにおいても数多くの実績とノウハウを積み上げてきました。本記事では、HTM型タンデム式2軸混練押出機が塩ビのコンパウンドにおいてどのようなソリューションを提供できるのか、その技術的背景とともに紹介します。

塩ビコンパウンドの技術的課題とは?

一般的な嚙合い同方向型の2軸押出機は、ニーディングディスクで混練するために、高速回転が必要になり、塩ビはせん断発熱により分解してしまいます。このため、従来、塩ビのコンパウンドには嚙合い異方向型の2軸押出機が一般的に用いられてきました。嚙合い異方向型の二軸押出機では、スクリューが嚙合った状態で異方向に回転するため、フルフライトでも2本のスクリュー間に原料が挟み込まれ、ロール練りに似たせん断がかかり混練することができます。このため、低速回転でゆっくり混練することで発熱を防ぎ、塩ビのコンパウンドを作製することが可能です。しかし、嚙合い異方向回転型の二軸押出機では、原料が嚙合ったスクリュー間に食い込んでいくため、スクリュー回転数を上げて吐出量を増やそうとすると、スクリューがシリンダーに押し付けられ、金属同士が直接接触して「かじり」が発生する恐れがあります。この問題のため、高速回転・高吐出量での運転が難しく、低速回転、低吐出量でしか運転できないという課題がありました。CTEが開発したHTM型タンデム式2軸混練押出機は、スクリューが互いに噛み合わず異方向に回転する構造(非嚙合い異方向回転型二軸押出機)で、嚙合い異方向回転型二軸押出機では困難だった高速・高混練かつ高吐出化を可能にしました。

HTM押出機によるソリューション

HTM型タンデム式2軸混練押出機の全景。非噛合い異方向回転の混練部、ローターエレメント、ホッパースクリュー、リアベント、別駆動の単軸押出部など、高混練・高吐出のための構造を示す。

1. ローター混練によるせん断発熱抑制
HTM型タンデム式2軸混練押出機は、ローターエレメントでの混練を採用しており、バンバリーミキサーのような混練を連続式で行えます。せん断と圧縮は、ローターとシリンダーの隙間で発⽣し、混合物を練り上げます。短時間のせん断と圧縮の後、材料は解放されます。せん断⼒は⼤きいですが、せん断・圧縮と解放が繰り返されるため、発熱を最⼩限に抑えます。このため、高い混練性を維持しながら発熱を抑えることができます。

2. 高い脱気性能
2つのスクリューは⾮噛み合いで、スクリューの間に⼀定の間隔を設けているため、脱気性に優れます。このため、原料のフィードネックが抑制されます。また、ホッパースクリュー(押し込み装置)とリアベントシステムにより、さらに原料の食い込みが改善されます。

3. 低温押出が可能
HTM型タンデム式2軸混練押出機は、単軸押出部が別駆動の押出機となっており、二軸押出機と連結された構造となっております。二軸での混練と単軸での押出を分けることで、単軸では低温・低速回転で運転できるため、低温押出が可能となっております。また、単軸はシリンダー温度だけでなく、スクリュー側からも冷却するため、効率的に樹脂を冷却し押出します。これにより、塩ビのように熱にシビアな材料に対しても高混練・高吐出を実現します。

実績と応用例

ガラスシャーレに入った白い粉末の炭酸カルシウム。高充填コンパウンドやプラスチック製造のフィラーとして使用される素材のクローズアップ画像。

シーティーイーでは、以下のような塩ビ関連の実績があります:

・R-PVC+タルク(33%)
・R-PVC+炭酸カルシウム(50%)
・R-PVC+木粉(70%)
・R-PVC+セルロースマイクロファイバー(CMF)

いずれも、従来では焼けの懸念や高配合が困難な材料に対し、HTM型タンデム式2軸混練押出機は最適なソリューションを提供します。

まとめ

HTM型タンデム式2軸混練押出機は、塩ビのような分解のリスクが高い樹脂でも、焼けを抑えつつ高い混練性と生産性を発揮し、製品品質と生産効率の向上に貢献します。塩ビコンパウンドの製造における課題にお悩みの方は、ぜひ一度、実機テストや導入相談をご検討ください。

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