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東南アジアにおけるPETシートリサイクルの課題とHTM押出機による技術的ソリューション

かさ密度が低いPET粉砕品を安定かつ高効率で処理!

近年、東南アジアでは使い捨てプラスチックの削減やサーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行を掲げた政府方針が強化されるなか、rPET(リサイクルPET)の活用が急速に広がりを見せています。特にインドネシア、ベトナム、タイ、フィリピンといった国々では、食品パッケージや日用品に使用されたPETシートの再資源化が注目されており、ESG経営の推進や輸出規制への対応といった背景からも、高品質なrPETの安定供給が強く求められ、各国で政策と産業の両面からその活用が加速しています。

こうした政策強化と市場ニーズの高まりに加え、回収インフラの整備が道半ばであることや、環境意識の地域差などの課題も相まって、PETリサイクルの現場では技術的な壁の克服が急務となっています。

リサイクルPET(rPET)の課題

特に、東南アジアにおける実際のリサイクルプロセスでは、収集された原料の品質ばらつきや、粉砕物の取り扱いの難しさが現場の大きなハードルになっています。例えば、PETボトルやシート、フィルムを粉砕したフレークはかさ密度が低く、スクリューに食い込みにくいため、フィードネックを起こしやすく処理量が安定しないといった問題が発生します。

これらの課題は、リサイクル工程全体の効率化や品質の安定化を妨げる要因であり、まさに東南アジア各国の再資源化推進の現場においても深刻な技術的ボトルネックとなっています。

PETシートを粉砕した再生原料は、かさ密度が非常に低く(0.04〜0.55 g/cm³)、従来の二軸押出機ではスクリューにうまく食い込まず、処理中に「フィードネック」が起こるリスクがあります。これにより、吐出量が制限されるとともに、製造の安定性が損なわれる可能性があります。 さらに、PETは加水分解しやすい材料であり、特に高温・高湿度環境では物性が劣化するため、一般的には事前乾燥が不可欠です。これは、エネルギーコストやラインの複雑化を招く要因でもあります。

シーティーイーのHTM押出機が提供するリサイクルソリューション

シーティーイーのHTM型二軸混練押出機は、「非噛合い・異方向回転」構造と高性能リアベント(脱気)システムを搭載し、以下のようなメリットを提供します。

• スクリュー間の空間によって、ガスが抜けやすく、フィードネックを回避
• 高い脱気性能により、PETの加水分解を抑え、事前乾燥の省略が可能
• 軽量でかさ密度の低い原料でも高吐出量が安定的に実現

従来のスクリューが噛み合う構造とは異なり、HTMは非噛合い構造を採用しているため、脱気性に優れます。また、ローターエレメントによる混練を採用しており、瞬間的な高せん断により原料の発熱を抑えながら、高い混練性を実現します。これにより、熱履歴による劣化を抑えつつ均一な混練が可能となり、PETの物性劣化を防ぎます。また、シリンダーとスクリューの両方から冷却可能な設計により、安定した低温押出プロセスを構築できます。

実績データ(φ50mm機での処理量)

かさ密度0.04 g/cm³という非常に軽量な原料であっても、φ50mmのHTM押出機で80kg/hという安定した処理が可能です。

今後、各国でさらなる「PETリサイクルの高度化」が求められる中、CTEのHTM型押出機は以下のような製造現場の課題解決に寄与します:

• 乾燥レス化による工程の簡略化と省エネ
• 軽量粉砕原料への安定対応
• 高吐出かつ安定した運転でのスループット向上

シーティーイーでは、HTM押出機による実機テスト・評価も承っております。PETリサイクルに関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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