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CCU炭酸カルシウムコンパウンドとHTM型タンデム式2軸押出機の可能性

煙突から出るCO2の煙。CTE(シーティーイー)が取り組むCO2削減技術のイメージ。

地球温暖化や環境問題への対応が急務とされる現代、CO2の排出削減に向けた技術開発はますます重要性を増しています。株式会社シーティーイー(CTE)は、プラスチック業界において持続可能な社会づくりに貢献するため、高フィラーコンパウンド、高品質な再生プラスチックプロセス、バイオマスや生分解性樹脂の混練押出し、ケミカル・マテリアルリサイクル分野で革新的なソリューションを提供しています。今回は、CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)技術を活用したCO2を利用した炭酸カルシウムコンパウンドの技術開発と、それを支えるHTM型タンデム式2軸押出機についてご紹介します。

CCU技術とは?

CCU技術は、排出されたCO2を回収し、それを有効利用する技術のことを指します。特に、地球温暖化対策として、CO2を回収して貯留するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)技術とともに注目を集めていますが、CCUは回収したCO2を新たな資源として変換する点で独自の利点があります。例えば、CO2を利用して燃料やプラスチック、さらには炭酸カルシウムのような炭酸塩を製造することが可能です。

CCU炭酸カルシウムコンパウンドの技術的課題

CCU (Carbon Capture and Utilization)炭酸カルシウム。

CO2を利用した炭酸塩製造技術は、地球温暖化対策の一環として期待されていますが、その応用にはいくつかの技術的な課題が存在します。特に、CCU炭酸カルシウムはその特性上、表面積が大きく不純物や水分量が多いため、一般的な重質炭酸カルシウムと比べて樹脂への影響が大きくなります。これにより、樹脂の劣化や混練時の高トルク化、成形物の不良などが発生しやすく、高濃度でのコンパウンドが困難になります。また、フィードネックが発生しやすく、吐出量を上げるのが困難です。

HTM型タンデム式2軸押出機による解決策

CTEのHTM型タンデム式混練押出機。

これらの課題に対し、私たちが提案するのが、HTM型タンデム式2軸押出機です。この押出機は、CCU炭酸カルシウムを高濃度(~80%)かつ高分散で樹脂に混練し、劣化を抑制することが可能です。特に、異方向非嚙合い型のタンデム式スクリュー構成が採用されており、従来の技術では達成が困難だった高品質コンパウンドの製造を可能にします。

実績と今後の展望

HTM型タンデム式2軸押出機によるCCU炭酸カルシウムコンパウンド製造は、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。しかし、現時点では実績が少なく、さらなる研究と最適な設計が必要です。今後、本助成事業を通じて、CCU炭酸カルシウムの挙動を詳細に調査し、その可能性を最大限に引き出すための技術開発を進めてまいります。

カーボンニュートラルの実現に向けて

カーボンニュートラルの図式

私たちが提案するHTM型タンデム式2軸押出機により、CCU炭酸カルシウムを利用したプラスチックコンパウンドが高品質かつ高生産性で製造できるようになれば、CCU炭酸カルシウムの用途が広がり、利用量が増え、カーボンニュートラルの実現に向けた重要なソリューションとなるでしょう。 環境負荷を低減し、持続可能な未来を創るための革新的技術として、今後の展開にご期待ください。

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